こたろう

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小太郎文学 憧れ

こんにちは、小太郎です。開花予想が出ましたね😉今年はどんな桜景色になるかな。休憩がてら小太郎文学をお楽しみください。憧れ私は幼き頃、モデルのA氏に憧れ幼いながらも彼女の堂々とした立ち振る舞いに対して淡い恋心を覚えていました。A氏の出ている雑誌や番組はかかさずチェックし、よく小遣いをきらしていたものです。そんな私も思春期を通り越して社会人になりました。モデルから見事に女優にも転身したA氏はその実力をメキメキと発揮してテレビドラマにも引っ張りだこ。助演女優賞もとるほどに成長していました。かくいう私にも大学生の時に彼女ができ、かつての淡い恋心はどこへやら。アラフォーのA氏のことはかつての憧れとして遠い思い出になりつつあった。そして、、就職して10年が経った。私は彼女と婚約し、同棲も始めた。持ち上げ上手な彼女は仕事にも良い影響を及ぼし、私の企画したプロジェクトは大成功。社長直々の賞をいただき、最年少でのプロジェクトリーダーに抜擢され一気に出世街道におどりでた。サラリーマンの良いところどりだ。そんな中、A氏はモデルと女優を両立し、さらには実力派俳優と結婚し、確固たる地位を確立していた最中。突然の不倫報道。相手は人気アイドルグループのセンター。まさかのチョイスに愕然。相撲界の不祥事ばかりのワイドショーに舞い降りたスキャンダル。ここぞとばかりに記者たちがモラルにかけた質問を投げかける。そんなニュースをみて、私は呆然としていた。あんなスター街道を走っていたのに、、一気に落ちていく。この世の中でスキャンダルなんてことは隠れているだけでごまんとある。SNSでもアイドルグループだけあって誹謗中傷がたえない。黙っておけばいいのに、A氏はSNSやってないとまた余計な発言をし炎上。まさかこんな日がくるとは、昔の憧れの人がこんな形で再注目をうけるなんて。そんな事件から30年。。私は会社を定年前に退職し、子供も自立。自分の時間も多く取れるようになった。A氏は芸能界を去ることなくベテランの女優として細々と活動していた。そんなある日、自由が丘にある年季の入った昭和喫茶に入りいつものように若かりし頃のA氏の雑誌を見ながら、コーヒーを飲んでいた。そこへ昔から見ていたA氏がマネージャーとともに入ってきた。あら。こんな古い雑誌置いてあるのね。とマスターに一言。私は唖然としていた。だが、もう二度とないであろう機会。A氏は私の雑誌をみて、まぁ懐かしいと言う。意を決して発言した。私はこの方の変わらぬ愛嬌にいつも励まされていました。毎週出るこの方の雑誌が楽しみでした。嫌なことも吹き飛んでしまいます。と伝えた。A氏は、ふっと微笑んで小さくありがとうと言い奥へ入っていった。私は昔からSNSのつぶやきで同世代の人向けにこういった喫茶があることを発信していた。おそらくそれが口コミを呼んだんだろう。。でも、言われたその一言だけでも私は救われた気分だ。この人のファンでよかった。半世の間で味わった栄光と挫折。しかしながら、A氏は自分を崩さなかった。その姿に私は惹かれたのだろう。これからもずっと応援していくつもりだ。その日に飲んだコーヒーはなにやら違う味がした。小太郎文学小太郎でした。